私のまわりには私も含めて独身の人が多い。よく会う友人のほとんどは独身だし、仕事関係の人も、意識しているわけではないが独身の人の方が頻繁に会っているようだ。既婚者を避けているつもりはないが、やはり話題的にもだんだん合わなくなるし、子供が小さかったりすると、私のようなのんきな独り者と遊んでいる場合ではないのだろう。それと、これは私の大きな偏見かもしれないが、結婚している女の人の多くはなんとなく独身者に対して「偉そう」である。この件に関してはあとで考えるとして、ここではいくつか「いい人がいれば結婚してみたいが、いまだ結婚に至っていない人」の例をあげてみることにする。まず、学生時代の友人Kは、歩く結婚願望みたいな人である。彼女は知り合った時から今に至るまで、ずっと「結婚したい」と言っている。会えば必ず話題は結婚のことになるし、年賀状には毎年「今年こそ」と書いてある。そして、初対面の人には「私、結婚したいと思ってるんですけど、いい人いませんかね」と告知しておくことも忘れない。「あんまり結婚願望ってないんだ」という態度の方がどちらかというと格好いいとされている今、ここまで自己開示できる彼女を私は本気で尊敬する。けれど彼女もいつのまにか三十七歳になった。私が彼女と知り合って二十年近く、彼女は結婚相手を捜し続け、そして今も捜しているのである。まあ、これだけの話で彼女自身に何か重大な問題があるのでは、と誰もが疑うだろう。重大かどうかは分からないが、決定的に彼女を縁遠くしている理由はある。それは、彼女がとても幸せで、かつ結束の固い家族をもっていることだ。彼女の家は自営業で、私も何度かお邪魔したことがあるのだが、おばあちゃんもお父さんもお母さんもお兄さんも、お兄さんのお嫁さんも庭の犬までもがものすごく愛想がよく、互いに仲がいいのである。
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